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傍島 眞
JAERI-Review 99-010, 25 Pages, 1999/03
原子力発電の普及の国による著しい違いは、その国のエネルギー事情などのおかれた環境が大きく支配しているものの、それぞれの国のエネルギー政策の進め方によるところが大きい。また、そのような政策を作り出し、受け入れるかどうか決める国民の意識の差も大きいとの指摘もある。特にフランスは、伝統的にリスクのコントロールができないとする国民の認識のほか、政府や専門家に高い信用を抱えているとし、その反対に、アメリカ人はリスクを自らコントロールしようと行政に介入し、専門的判断にも変更を加えようとする、との分析は世界の原子力普及の二極化の一面を説明する。日本人は、近年に続く官僚の不祥事の影響もあってか、行政を信用しなくなり、情報の公開を求め発言する機運が強まっているが、このことが、原子力の停滞の背景にある。温暖化など地球的問題の解決には、少なくとも原子力技術の専門家が、事故や不祥事によって失われかけている信用を着実な行動で取り戻し、信任の得られる原子力の開発計画の全体像を示し、再び国民の付託を得ることが、一層必要になっている。